不安や自信のなさを解消するには、褒めてもらう

行動分析とは心理学の一分野で、人間を含めた動物の行動原理がどうなっているのかを研究する学問です。企業であれば顧客にリピートしてもらう、動物園であれば動物に芸を仕込む、子供のしつけや教育など、とても幅広く用いられています。
今回は、「自信がなくて行動できない、何をやるにも不安になってしまう」ときに使う方法についてお伝えします。
なお、個人差がありますので、同じことを実行しても効果がないばかりか、逆効果になることもあり得ますので、ご注意ください。
不安や自信のなさを感じている人の共通点=褒められた感覚がない
統計的に分析したら違う可能性もありますが、私のところに相談にいらっしゃる「不安や自信のなさ」を訴える方々にお伺いすると「褒められた感覚がない」もしくは、「褒められているのに、褒められたことに気が付いていない」ことが多いという感触があります。
褒められた感覚がないと、自信を持つことが難しくなる
ある行動に対して、褒められた感覚がなかったとします。
- 何かを行動する(部屋の片づけ、仕事など)
- 何も反応がない(報酬がない)
一方、他の人が同じ行動をしているのに、他の人が褒められたとしたらどうでしょうか?
「同じことをしているのに、他の人は褒められている(報酬を得ている)。一方、自分は褒められない(報酬が得られない)」と一般的に比較します。(ADHDで他の人の行動を見て学習できない方や、パーソナリティ障害などで他の人と比較しない方もいらっしゃいます。あくまでも一般的なパターンです。)
同じ行動をしても、報酬がない(褒められない)ことが続くと、「何をしても褒められない(報酬がない)から、ダメ人間かも」という心理が出てきて自信を失ってもおかしくありません。
さらに行動を叱られてしまうと、さらに自信を無くしてしまいます。
自信を持てないから不安になる
単純な構図です。
自信がない行動に対して、「本当に自分の行動があっているのか?」「これで良いのだろうか?」というような思考が、勝手に出てきてしまい、不安に襲われます。
日本の文化的背景
私なりの考えですが、日本人の文化的背景や昔ながらの教育では、「褒める」ということについて、あまりしてこなかったから、「褒められることに慣れていない」「褒められると変な気分になる」ことで、発生しているのかもしれません。
褒めてもらうことに慣れる
褒められることに慣れていないために、褒められた気がしないのなら、まずは褒められることに慣れましょう。
自分で自分を褒めるより、誰かに褒めてもらった方が効果的です。
でも、注意点があります。
得意分野であるがうえに、苦手分野すぎて、褒められた感覚を得られない
私の経験で申し訳ありませんが、学生のときの得意科目は「物理」そして「数学」でした。
物理のテストで90点台が普通という感覚を持っているがために、「96点ですごいね」と褒められても、当たり前と思ってしまい、褒められていることに気が付かない・・・
逆に不得意な英語のテストでは非常に低い点数10点程度が普通だったので、たまに20点台をとると、「がんばったね」と言われても、何も感じない・・・むしろ嫌味に聞こえてしまう・・・
要するに、どのタイミングでどのように褒めるかで、受け取り方が大きく変わってしまうのです。
ですから、褒められた感覚を感じられるように褒めてもらうことが大切です。
最初は毎回、そして徐々に褒められる回数を少なく、褒められる方法もちょっと変えて
最初は毎回、褒めてもらい自信を深めます。
人間を含め動物は、馴れてしまい効果が薄くなりますから、褒められる方法をちょっと変えていきましょう。また、褒められる頻度も変えていきましょう。
たとえば、言葉で褒めていたのを、デザートにするなど、変化球を織り交ぜていくのです。
まとめ
自信がなく不安が強いのは、褒められている経験が少ない可能性がある。
※別の理由も存在することが多いので、一つの要素と考えましょう。
自信をつけるために、家族や友人から褒めてもらう。
褒めてもらうことが、自分の報酬になっているか、確認する。
褒めてもらう頻度や、タイミング、内容を変えて続けていく。
そして最後に、ちょっとした魔法の行動をひとつ。
褒めて欲しいけど、褒めてちょうだいとリクエストできなかったら、思いついたときに自分から相手を褒める・・・私の独断と偏見によると、半年くらいで褒めてくれるようになります。