更新日:2023/07/23投稿日:2020/10/24
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アトピージプシーになる理由を行動分析で明確にしてみた

この記事は約 4 分で読めます。

行動分析とは心理学の一分野で、人間を含めた動物の行動原理がどうなっているのかを研究する学問です。企業であれば顧客にリピートしてもらう、動物園であれば動物に芸を仕込む、子供のしつけや教育など、とても幅広く用いられています。

今回は、ReBornの工房長でもある川浪さくら先生から耳がタコになったくらいお聞きした「アトピージプシー」について、行動分析で分析してみることにしました。

アトピージプシーとは

さくら先生によると、アトピーを治したくて、病院やクリニックに行っても治らず、どこか自分のアトピーを治してくれる医療機関をさまよう行動をされている方のことをアトピージプシーと呼ぶそうです。

アトピージプシーを行動と捉えてみる

アトピーで悩んでいる方からすると、ちょっとえげつないと言われてしまうかもしれませんが、ご自身の気持ちと行動が一致してくるので、ぜひお付き合いください。特にロジカル思考をする方におすすめです。(私自身、めちゃくちゃロジカル思考なので・・・)

ということで、行動を分析していきましょう。

アトピーになる前orアトピー以外

アトピーになる前、もしくはアトピー以外の症状の場合、おそらく次のような行動をしています。

  1. 何らかの病気で辛いです。
  2. 医療機関に行きます。
  3. 医療機関で診察、治療を受けます。
  4. 症状が緩和(治ります)。
  5. 結果、辛さが緩和(辛くなくなった)されます。

この行動パターンを3つに単純化すると、次のようになります。

病院に行く行動が強化
  1. (行動前)症状で辛い状態になっている
  2. (行動)医療機関に行く
  3. (行動後)辛くなくなった状態になった

この行動、行動分析的にいうと「辛い」が無くなった嫌悪刺激が除去された!「負の強化」と考えます。

「負の強化」は、嫌なことが無くなるので、行動の頻度が上昇します。

結果、「病気になったら病院に行く」という行動が強化されるのです。

アトピーで医療機関に行っても治らない経験

アトピーで病院に行っても治らない経験は、どうなるでしょうか?

「病気になったら、治してくれる病院に行く」という行動が強化されていますから、自動的に病院を探す行動をしてしまいます。

でも、病院に行って症状が変わらなかったら・・・

別の病院を探し始めます

  1. アトピーの症状で辛い
  2. 医療機関に行く
  3. アトピーの症状が変わらない
  4. 別の病院を探す
  5. 病院に行く
  6. アトピーの症状が変わらない
  7. 何をしても報われない ⇒ 学習性無力感、病院に行かなくなる。
病院に行く行動が弱くなる

病院に行ったけど、何も変わらなかったという経験を何度もしてしまうと、行動が無くなる消去が発生し、さらに学習性無力感という状態になってしまいます。

要するに病院に行くという行動頻度が次第に減少し、最終的には「どの病院行っても治らない・・・」と諦めてしまうのです。

学習性無力感になると、行動しなくなる(諦める)

何をしても無駄、どうせ病院に行っても無駄。

こんな心理が生まれて、何も行動しなくなってしまいます。

ここまで来てしまったら、正直セルフケアではなんともなりません。

家族が病院に連れていっても、前向きに治療を受ける気持ちになれません。

でも、アトピーで痒いから病院に行こうかな・・・

実は行動を消去しても、時間がしばらく経過すると、行動が戻ってくることがあります。

「アトピーで痒いから、ダメかもしれないけど病院に行こうかな・・・」と突然、思うことがあるのです。

でも、ここでちょっと待った!

落ち込まないためにも、どのような治療が自分にあっているのかなど相談してから病院やクリニックに行くことをおすすめします。

もし、また治療がうまくいかず、行き詰ってしまったら、また無力感になってしまいますから。

たとえば、川浪さくら先生であれば、今まで受けてきた治療をまとめて、何が問題なのか、どうしたら良いのかアドバイスをいただけますし、アトピーの標準治療以外の治療を追加するなんてことも必要かもしれません。

アトピー以外でも学習性無力感かな?と思ったら即心理職に相談

ちなみに、学習性無力感はいじめやハラスメントなど様々な分野で起こりえます。学習性無力感があると鬱病になるモデルもあるくらいです。

早めに心理職に相談しましょう。

この記事を書いた人

JIMC日本統合医療センター
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